人は優しく勤勉、安全で、清潔で、便利な国。それが世界から見た日本の姿でしょう。しかし、その表面的な落ち着きと、美しさと、豊かさの裏に、幸せでない人たちがたくさんいることはまぎれもない事実。

子どもの自己肯定感は先進国で一番低く、自殺者率は世界で最も高い水準で、若者の死因は自殺がトップ、大人で仕事を楽しんでいる人は６％に満たないという報告もあり、現代日本社会が抱えている問題がいま浮き彫りになっています。

このような日本社会の課題は、「弱いところを見つけて治す」という、日本では文化的な考えと関係しているのではないでしょうか。私たちは愛している相手にこそ悪いところを直してあげようと、つい指摘してしまう傾向にあります。でもされる立場の人にとっては、欠点を根掘り葉掘り言われるわけですから、自分はどんどんだめな人間だと思ってしまうわけです。

これを逆に、良いところをより伸ばしていく新しいアプローチに変えていくと、そのメリットは無限大になるのです。これまでの経験から、様々な問題の相談を受けたり、社会的な問題を考えたりするとき、「強みを見たら全てうまくいく」と断言できるくらい、強みは万能薬とも言えるのです。

ＶＩＡ調査票は、科学的に作られ豊富なエビデンスに基づいています。強みを知るだけで幸せは9.5倍になり、使えるようになると幸せは18倍になるそうです。長期的に幸福感が増していき、うつ症状が減少することもわかっています。

有名な、ストレングスファインダー（SF）が「才能」を計っているのと違い、人がもともと持っている「性格の強み」を計っているＶＩＡは、謙虚な日本人に向けて、またこの変化する時代にも合っているのではないでしょうか。

これからは、努力して頑張って何かになろうとしていくより、削ぎ落として、ありのままで、より自分らしく自由に生きる時代へ変換していくでしょう。性格の強みを知ることは、多様性を尊重することでもあります。

想像してみてください。弱みより強みにフォーカスする日本社会を。自分の弱いところを治すことに一生懸命になるのではなく、強みを生かして人の役に立っている社会を。

会社では、上司が部下の強みを、学校では、先生が生徒の強みを、家庭では、親が子どもの強みを、夫婦では、お互いの強みに注目して感謝を伝える。部下は、生徒は、子どもは、パートナーは、自信を持って様々なことに取り組み、その人らしく生き生きとした人生を送り、そしてその大切な人とあなたとの関係性も良くなることでしょう。

そのためにまずは、あなた自身の強みを知ってほしいのです。
強みを知ることは最大のセルフ投資。いつも同じ失敗を繰り返していると感じる方も、その人生を変えられます。強みを知って使えば、辛いときでも幸せを作り出せる大きな糸口となるのです。

組織にも、土地にも、時間にも縛られず、自由な人生を生きていく人が増えるこれからの時代。あなたがあなたでいることの強み、そこにいるだけで醸し出される強み。それを知り、それを活かすことが、あなたと周りの人たちの幸せに、自然と繋がっていくはずです。そんな人生を一緒に作り出していきましょう。